今回は、ヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、大人向けホビーの売れ筋を取材しました。

6階のホビー売り場では、ほかのいくつかのジャンルと同様にコロナ禍においてトレンドが大きく変わっているといいます。同店副店長の下條圭氏は「自粛やリモートワークなどでおうち時間が長くなり、凝ったモノを作りたいという人が明らかに増えました。眠っていた趣味心に火がついたといいますか、新たな層のお客さんも多くいらっしゃいます」といいます。

夕方から夜に仕事帰りの人が売り場に立ち寄って、高価なプラモデルや工具などを淡々と購入していく――。そんな光景が1年ほど前から当たり前になっていったそうです。そのなかで、どんなホビーが人気を集めているのでしょうか。「大人向けホビー選び、3つのアドバイス」を踏まえてベスト5を見ていきましょう。
○<大人向けホビー選び、3つのアドバイス

1個完成して終わりにするのはもったいないかも。カスタムできる工具やパーツチェックするのもお勧め。
SNSYouTubeから人気になった工具や工法も多い。披露や情報交換の場に活かすのも有効。
親子で一緒に工作するファミリーも増えている。家族を趣味の仲間に誘い込むと新たな楽しみが増えるかも。

※本文と写真で掲載している価格は、2021年6月2日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:“出せば売れる”が続くガンプラ「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム

一番人気に挙げられたのは、バンダイのプラモデル「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」です。外装だけでなく、骨格部から組み立てられる仕様で、全身に90箇所以上の可動部を設定しています。取材時の価格は27,000円。

「仕事帰りの時間帯に在庫があると、黙々と選んで買われていきます。購入層の中心は40~50代の男性になりますね。好きな人にはたまらない、組み立てたいと思わせる迫力があります」(下條氏)

もともと“ガンプラ”は人気の高いジャンルですが、「店舗近くの山下埠頭に『ガンダムファクトリーヨコハマ』ができたことで、人気をさらに押し上げているかもしれません」(同)とも話していました。同店は、そうした地域性の影響も少なくないようです。

第2位:3,000円で吹きつけ塗装を実現「ガンダムマーカーエアブラシシステム

2位にはプラモデル本体ではなく、加工用のアイテムランクインしています。クレオスの「ガンダムマーカーエアブラシシステム」で、取材時の価格は2,990円。固定したマーカーペン(ガンダムマーカー)の先端にエアーを吹き付けることで、簡易エアブラシとして使える製品です。

「足りない色を足すために、プラモデルと一緒にマーカーを買っていく人は増えていますね。そのなかでもこの商品は売れ行きが抜きん出ていますね。高価なエアブラシが3,000円程度で導入できるという魅力が、お客さんの間で自然と広がってロングヒットしています」(飯塚氏)

第3位:切れ味が評判の「ブレードワンニッパー」もロングヒット

続く3位はプラモデル用の工具です。ゴッドハンドの模型用片刃ニッパーブレードワンニッパー」で、パーツランナー(枠)から切り離す際にゲート(接続部)を残さずに切り取りやすい作りになっているのが特徴です。取材時の価格は3,760円。

ニッパーは数百円から数千円のものまで幅広くありますが、高価格帯に属する製品になりますね。とにかく切ったあとの部分がきれいだと評判で、ヤスリを使わずに作りたい人にも、ヤスリで整えたい人にも、その後の処理が楽だと高く評価されています」(飯塚氏)

以前から知る人ぞ知る存在の工具でしたが、ランキング上位に上がってきたのはやはりコロナ禍の後とのこと。「自宅での時間ができたことで、一歩踏み込んで作り込みたいという需要が伸びた表れだと思います」(同)

第4位:いつものあの姿をリアルに再現できる「BEST HIT CHRONICLE 1/1 カップヌードル

4位には、バンダイのプラモデルBEST HIT CHRONICLE 1/1 カップヌードル」が入りました。日清のカップヌードルを中身も含めて忠実に再現した等身大モデルで、取材時の価格は1,980円となります。

こちらは若い世代やファミリー層にも幅広く買われているそうです。近くのみなとみらい地区に「カップヌードルミュージアム横浜」が建っていることもあり、ミュージアム帰りに購入する家族連れの姿も見られるとか。

「こういう変わり種のプラモデルも、中途半端なものはヒットしません。本物と間違えてしまうくらいに徹底的に作り込んだ製品だと長く喜ばれますね」(下條氏)

第5位:ブーム再燃&親子での楽しみ方も広がる「ミニ四駆

5位には、タミヤモーター付きスポーツカー模型「ミニ四駆」がシリーズ全体としてランクインしています。人気機種のひとつ「1/32 ガンブラスター XTO」の価格は770円でした。

80年代に少年を中心に一大ブームを巻き起こしたミニ四駆は、人気が落ち着いたあとも製造が続けられていましたが、昨年夏ごろから再び人気に火がついたといいます。

「30代後半から50代の方が、昔を懐かしんで買いに来られることが増えました。当時憧れだったモータータイヤチューニングしたり、好みの塗装にしたり、いろいろな楽しみ方が広がっています。SNSYouTubeで話題になったこともあり、若い人が新たに始めるという動きもあります。親子で楽しむ方も珍しくないですね」(飯塚氏)

はみ出し情報…小型ジグゾーパズルが女性や母娘に人気

ランキング上位には男性人気が中心の製品が集まりましたが、女性のホビー需要も高まっています。とりわけ目立っているのが、小型のジグゾーパズル人気とのことです。

かわいい額縁に入れてインテリアとして飾りたい、というニーズが盛り上がっていますね。ディズニー系やジブリ系は定番の人気があります。お子さんと一緒に組み立てて、一緒にデコレーションして、というふうに楽しまれる方も多くいらっしゃいますよ」(飯塚氏)

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/20072019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら
(古田雄介)

画像提供:マイナビニュース


(出典 news.nicovideo.jp)

巣ごもり需要って奴でしょうか。

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